Date: 1月 22nd, 2022
Cate: 老い
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老いとオーディオ(若さとは・その12)

(その10)へのコメントが、facebookにあった。

この項は、どなたかに宛てて書かれているようだ、と思っていた、とあった。
続けて、「それが当該の方ご本人のためになる」「書き残すことが公共の利益である」
という考えなのか、とあった。

そんなことはまったくおもっていない。
知っている老成ぶっているオーディオマニアに向けてではない。
その人が、仮に読んでいたとして、本人のためになるとはまったく考えていない。

書き残すことが公共の利益になるとも、まったく考えていない。

ずっと以前に書いているように、
ここに書いていることは、私に向けてのものである。

「五味オーディオ教室」にであったばかりの私、
「五味オーディオ教室」を夢中になって、何度も何度も読み返していたころの私、
そのころの「私」だけを想定して書いているだけであり、
そういう「私」に老成ぶるな、といいたいだけでもある。

とはいえ、まったくそれだけでもない。
老成ぶっているオーディオマニアに対しての怒りがあるといえばある。
老成ぶっているオーディオマニアが悪い、というわけではない。

趣味の世界と捉えれば、老成ぶっていることも、
そういう楽しみ方もあるだろうぐらいに思える。

老成ぶっているオーディオマニアは、昔からいたはずだ。
私が知っている老成ぶっているオーディオマニア以外にも、きっといよう。

その人たちに怒りがあるわけではない。

老成ぶっているオーディオマニアが、
自分の世界に閉じ籠もっているだけならば、そこに怒りをおぼえることはない。

もったいないぁ〜、と思うにしても、怒りはない。
けれど、いまは昔と違う環境がわれわれをとりまいている。

だからこその怒りがある。

1 Comment

  1. 寂夜寂夜  
    1月 24th, 2022
    REPLY))

  2. はじめまして。
    亡き父がグッドマンで毎日レコードを掛けていたので、幼い頃から当たり前にクラシック音楽とオーディオが在り、家族でコンサートホールにも通いその日の演奏を語り合うような、愉しい想い出の中で生きて来た63歳の一人のオーディオ好きです。

    「老成ぶってる」と言うことばの意味について、良く判らないのでお尋ねさせて頂きます。

    私はまだ会社員ですが、コロナの影響で在宅勤務が長く続き、自宅オーディオに接している時間が激増しました。休日は写真撮影ドライブに出掛けてしまう事が多いですが、平日は殆ど音楽を掛けながら在宅勤務を行っております。

    近年はそこらじゅうのSNSやブログでオーディオ関連の記事が書かれています。とても軽薄な内容も多く(「これを買えばそれだけで幸せになれる」など)がっかりしますが、真面目なレビューもあります。その後者で語られる事が多い言葉に「情報量、スピード感、締まって強力な低音、伸び切ったクリアな高音、ピンポイント定位」などがあります。私は昔からこのような言葉に違和感を覚えてしまう事が多く、近年は一層その想いが強くなっています。こては「老成ぶって」しまっていると言う事なのでしょうか?

    コンサートホールの聴くオーケストラは、ホールの反響音が大部分を占める為か、各楽器の定位なんて感じませんでしたし(目を閉じればコントラバスが何処に居るのか分からない)、低音は軽く豊かに漂う感じで締まって強力ではなく、高音も金管楽器には多少良い意味での粗さがありましたが弦は濡れるような艶はあれどクリアと言うのとは違ってました。情報量やスピード感など感じた事も無く、ただただ奏でられる音楽を愉しんでおりました。(子供頃から老成ぶっていた?)

    どうもマイクで各楽器・声を拾い、サウンドエンジニアが音を創る「PA前提の音楽」が主体になってから、どんどん「情報量、スピード感、締まって強力な低音、伸び切ったクリアな高音、ピンポイント定位」が重視されるようになって、音の「品位」は忘れ去られて来たように思いもします。DTMに至ってはマイクさえも無くコンピュータ~デジタルデータ出力~デジタルデータ記録(録音)なので「情報量」は録音形式により明確に数値化できますし。ヘッドホンでモニターしながら各種調整はするでしょうが、そこにはコンサートホールも音場が広がる空間も物理的にありません。

    クルマも趣味にしておりますが、愛車のレガシィBPE(ターボ無しの水平対向6気筒DOHC3L)は最新の5~700万クラスのクルマより機能性能は格段に劣るにしても品がある走りをすると思いますし、サブ車のR1(アルファロメオのチーフデザイナーのデザイン、ターボ無しの軽)は、あまりにシンプルな機能しか無いが狭く小さいけれど運転が楽しくて仕方ない。カメラも古くて性能も最新機種より桁違いに劣るPENTAX K-7を現地状況に応じて巧く設定できて撮った時の画が美しいと感じてしまいます。

    現代の指標で言えば「老いぼれ」のオーディオ・クルマ・カメラに、それぞれの出す音楽・走り・画の根本的な部分で「佳い」と思ってしまいます。これが「老い」或いは「老成ぶっている」と言う事なのでありましょうか?

    【貧弱ですが大事に使っている使用機材:曲と気分で切替】
    ADP: THORENS TD126mk3 + SME3009/S2, AUREX SR-410 and SR-370。MC-30, DL-103, C-550
    CDP: DENON DCD-SA1。DAC: PCM2704+ライントランス, iFi iOne nano
    AMP: SANSUI D907F-Ex *2, D907G-Ex *2, X11、Luxman L-530, SQ38FD
    *2: 計4台で、内部回路の一部定数と電解コンデンサ全数を変えてチューニング
    SP: Rogers PM510, Studio1, Studio5, SANSU LM-033, SP95改、Beyma 12AG50

    1F

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