4350の組合せ(その13)
JBLの4350は、いい貌をしているスピーカーシステムだ、といまでもおもう。
4350の改良型として登場した4355。
基本的には同じスピーカーといえる。
4343が4344になったときのユニット配置の変更、
それにともなうデザインの変更と比較すれば、
4350から4355への変更は、ずっとうまく仕上げられている、というか、
4350のイメージを保っていた。
けれどむしろ保っていたから、4350との比較をどうしてもしてしまいがちになる。
そんなことやらなければいいのに……、と自分でも思う。
でも、やってしまっている。
4355は知人が鳴らしていた。
何度も、その音を聴いている。
うまく鳴っている4355の音は、やはりいい。
いいと感じるから、よけいに4355のアピアランスが気になる。
違いはわずかだ。
バスレフポートの数が減ったこと、
レベルコントロールの違いぐらいである。
大きいのはバスレフポートのほうだ。
4350では、フロントバッフル左右に立てに三つずつあったのが、
一つずつになっている。
搭載ユニットも変更になっているから、
比較試聴したからといって、バスレフポートの数が、どれだけ低音再生に関係しているのか、
4350と4355の違いになっているのかを判断するのは難しい。
それでもおそらく4355のバスレフポートの方がいいのだろう。
そうでなければ、JBLがそうするわけがない。
それでも……、である。
カッコいいと感じるのは、4350なのだ。
たかがバスレフポートの数の違いだけ──、と思えないほどの印象の違いが、
4350と4355にはあって、凄みを感じさせるのは、私にとっては4350なのだ。