五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その28)
facebookで、使ってきた真空管アンプの具合が悪い、
おすすめの修理業者をご存知であれば──、という投稿があった。
難しいなぁ、と読んでいて、まず思った。
修理したいアンプを長く使っていればいるほど、それは古くなっていく。
古くなればなるほど修理が難しくなってくることがある。
適切な部品の確保が難しいから、という理由でことわられるかもしれない。
いまオーディオ機器の修理業者は忙しい、と聞いている。
大事に使ってきたアンプが壊れた。
修理したい。
メーカーはとっくに修理を受けつけていない。
だから、どこか修理業者に依頼するしかない。
腕のいい、という評判のところに、依頼は殺到しがちだ。
これはいいことなのだろうが、修理業者の負担が大きくなりすぎると、
修理の困難度によっては、ことわられる機会がこれからは増えてくるのかもしれない。
では、どうするか。
自分で修理することを考えてみてはどうだろうか。
過去の真空管アンプの有名どころは、
けっこう回路図が公開されている。
回路図があるとないのとでは、大きく違う。
回路図があるからといって、いきなり修理ができるわけではない。
それなりの経験は必要となってくる。
それがどれだけの経験量かは、修理したいアンプによって違ってくる。
今回のアンプは、難しいアンプではない。
いい修理業者が見つかれば、そこに依頼するのが、実のところ安上がりでもある。
自分でできるようになるには、時間も費用もかかる。
とはいえ、いつかは修理業者もいなくなってしまうかもしれない。
その可能性がゼロとはいえない。
ならば、その時までに、自分でやれるようになる──、
も選択肢の一つとなってくる。
修理のために、五極管シングルアンプを作る。
いい教材となるはずだ。その意味では、初心者向きといえよう。