会って話すと云うこと(その28)
先週末はインターナショナルオーディオショウだった。
今週末はオーディオセッション in OSAKAの開催である。
オーディオショウを見終ったあとは、
仲間たちとの食事会・飲み会をやった(予定している)人もいよう。
久しぶりに会った人と、共通の趣味の話をする。
ここではオーディオの話なわけだ。
どこの店でそんな話をする。
話は隣の席にも漏れ聞こえる。
隣の席にいる人たちは、そんなオーディオマニア同士の会話を、
どんなふうに受け止めているのだろうか。
スイングジャーナル1972年1月号掲載の座談会「オーディオの道はすべてに通ず!」がある。
岩崎千明、菅野沖彦、瀬川冬樹の三氏による。
そこで菅野先生が、こう発言されている。
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菅野 われわれのように、いわゆる道楽者が音の話をしていると、よく他の話に取違えられるんだね。この前も、こちらは音の話をしていたのに、バーの女の子がゲラゲラ笑っているんだよ。何を笑っているのかと思ったら、始めから終りまで猥談だと思っていたというんだね。まあ、その道の話というのは必ずすべての道に通じる話になるわけで、逆にそうでなければ、核心をついた話ではないよね。
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隣の席の人たちは、漏れ聞こえてくる話を猥談だと思うだろうか。
それとも、なにか小難しいことを話している、と思うのだろうか。
オーディオに関心のない人に猥談に聞こえるようでは、
それはオーディオの核心をついていない──、
菅野先生とは反対の考えの人も、いまでは多いのかも知れない。