JBL SA750(その22)
facebookのコメントに、山本浩司氏がHiVi 12月号で、
JBLのSA750とアーカムのSA30の比較記事を書かれるそうだ、とあった。
山本浩司氏がステレオサウンドに書くようになってしばらく経ったころ、
KEFのサブウーファーの紹介記事を書かれていた。
いま出ているモデルではなく、けっこう前のモデルである。
そつのない文章だった。
けれど、読んでいて、そのモデルを聴いてみたい、という気持にはなれなかった。
オーディオ評論家は編集者の経験があったほうがいい、と考えている。
いまはそうでもなくなっているが、
昔はかなりの人が編集経験を経たうえでの評論家活動だった。
とはいえ弊害もある、と考えている。
山本浩司氏のKEFのサブウーファーの記事を読みながら感じていたのは、
編集者として長すぎた経験の弊害であった。
それゆえのそつのない文章だった。
山本浩司氏は、私がステレオサウンドで働いていたころ、
サウンドボーイ、HiViの編集者だった。
それからHiViの編集長になり、評論家に転身されている。
KEFの記事を読んでいると、
これが、あの山本さんが書いた原稿? と思っていた。
そつのない文章と書いたが、つまらない文章を書くなぁ、と思っていた。
個人的なつきあいがあったわけではないが、
どういう人なのかはある程度は知っているわけで、
そのキャラクターとKEFの記事とが一致しなかった。
だから弊害と感じたわけだ。
でも、そのことは書いている本人がいちばん感じていたのではないのか。
山本浩司氏の書かれたものをすべてを読んでいるわけではないし、
熱心に読んでいるわけでもないが、ここ数年、ステレオサウンドでの文章は、
KEFの記事のころとは違って、弊害をうまく自分のなかで消化できたのではないか、
そんなふうに感じるようになってきた。
その山本浩司氏がSA750とSA30の記事を書くのであれば、楽しみだ。