Date: 7月 8th, 2021
Cate: 戻っていく感覚
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SAE Mark 2500がやって来る(その13)

瀬川先生は、SAEのMark 2500で、JBLの4341、4343を鳴らされていた。
私は、Mark 2500で何を鳴らすかといえば、タンノイのコーネッタである。

コーネッタにMark 2500?
そう思う人がいるだろうし、私も自分のことでなければ、そう思うだろう。

「コンポーネントステレオの世界 ’77」での瀬川先生の組合せ。

室内楽を静謐な、しかも求心的な音で聴きたい、というレコード愛好家のための組合せで、
スピーカーはタンノイのアーデン、
これを鳴らすためにスチューダーのA68、マークレビンソンのLNP2を選ばれている。

このころの瀬川先生はLNP2にはMark2500を組み合わせることが常だった。
だから、この組合せの記事でも、なぜMark2500ではなくA68なのか、について語られている。
     *
マーク・レビンソンのLNP2に組合せるパワーアンプとして、ぼくが好きなSAEのマーク2500をあえて使わなかった理由は、次の二点です。
第一は、鳴らす音そのものの質の問題ですが、音の表現力の深さとか幅という点ではSAEのほうがやや優れているとおもうけれど、弦楽器がA68とくらべると僅かに無機質な感じになる。たとえばヴァイオリンに、楽器が鳴っているというよりも人間が歌っているといった感じを求めたり、チェロやヴァイオリンに、しっとりした味わいの、情感のただようといった感じの音を求めたりすると、スチューダーのA68のほうが、SAEよりも、そうした音をよく出してくれるんですね。
      *
《ヴァイオリンに、楽器が鳴っているというよりも人間が歌っているといった感じ》、
レコード音楽が、こんなふうに鳴ってくれれば、これほど嬉しいことはない。

ここでの組合せのスピーカーは、アーデンである。
私が鳴らすのはコーネッタ。

アーデン搭載のユニットよりも、コーネッタのユニットは二まわり口径が小さい。
ならば、A68で充分すぎるのではないか。

だからA68を探していたわけだが、
今回、Mark 2500がやって来た。

コーネッタと組み合わせて、ということは、ほとんど考えずにヤフオク!で落札した。
コーネッタにはミスマッチなのかもしれないと思いながらも、
やって来たのだから、コーネッタをMark 2500で鳴らすことになるわけだが、
《弦楽器がA68とくらべると僅かに無機質な感じ》、
これさえ払拭できれば、わりといい組合せになるんじゃないか──、
そう思い込もうともしている。

すると、五味先生の文章を思い出した。

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