Date: 12月 1st, 2020
Cate: オーディオ評論
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二つの記事にみるオーディオ評論家の変遷(その4)

KEFのUni-Q登場以前の同軸型スピーカーの代表的存在は、
タンノイとアルテックだった。

この二つ以外にも同軸型ユニットは、もちろんあった。
私が昔使っていたシーメンスのCoaxialもそうだし、
JBLの2145、イソフォンのOrchester2000、
パイオニアのPAX-A30などがあった。

とはいえ、やはり同軸型ときいて、オーディオマニアが頭に思い浮べるのは、
タンノイとアルテックだった。

この二つの同軸型ユニットは、中高域にホーン型を採用している。
JBLやシーメンスはトゥイーターはコーン型、
イソフォンはドーム型、パイオニアはホーン型だった。

トゥイーターがコーン型、ドーム型の同軸型ユニットは、
ウーファーの前面にトゥイーターが位置することになる。

ホーン型の場合は、ウーファーの奥にトゥイーターの振動板が位置する。
ウーファーとトゥイーターの位置合せは、構造上、かなり困難である。

特にホーン型の場合は、ウーファーとの距離が、
ドーム型、コーン型よりも離れることになる。

日本で平面振動板が流行り出したときに、パイオニアから、
平面振動板の4ウェイの同軸型ユニットが発表になり、
このユニットを採用したスピーカーシステムS-F1が登場した。

平面振動板だから、表からみれば、それぞれの振動板の位置は合っている。
けれど、ボイスコイルの位置までは一致していなかった。

Uni-Qが特徴的なのは、振動板の位置が合っている数少ない同軸型だったことにある。
実はホーン型トゥイーターの同軸型ユニットでも、
マクソニックのDS405は、ボイスコイルの位置を合せているし、
Uni-Qの約十年前に登場している。

同軸型ユニットは、それほど多くはなかった。
構造上複雑になるため、それにともない制約も生じるためであろうが、
それでも同軸型ユニットに挑戦するメーカーもあった。

手がけたものの、わりと早くやめてしまったメーカーもあれば、
タンノイのようにずっと長く続けているメーカーもあるし、
KEFも、もう三十年以上になる。

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