リモート試聴の可能性(その10)
中学、高校の吹奏楽のコンクールが、
コロナ禍によりビデオ審査になった、ということを知った。
それぞれの学校が、それぞれの場所で、それぞれの器材を使って録画するのだろう。
これはもう録画のクォリティが、ピンからキリまで生じることになるのではないのか。
私立の学校で、吹奏楽で名が知られているところだと、
録画にもたっぷりの予算が割り当てられても不思議ではない。
プロが使う録画、録音器材、そしてプロの人たちによって、
それこそ照明を含めて、高いクォリティのものをつくりあげるだろう。
公立の学校となると、
へたするとスマートフォンの録画機能を使って、ということになるかもしれない。
そうやってつくられたものが提出され、審査する側は、そのことについてどう配慮するのだろうか。
それに器材があって技術があれば、演奏のこまかなところも修整できる。
録画による審査はしかたないことだとわかっているが、
このあたりのことに関して、録画、録音器材を指定したところで、
それらの器材を持っているところもあるし、新たに購入しなければならないところ、
その予算がないところなどがあろう。
(その6)で触れたAudio Renaissance Onlineという、
オンラインのオーディオショウに、同じことはいえる。
どんなふうに行うのかは知らないが、
出展社が一箇所に集まって、というわけではなく、
それぞれの出展社が、それぞれの場所からのストリーミングのはずだ。
オンラインのオーディオショウに出展するところは、
オーディオメーカー、輸入元なのだから、そこでの器材がスマートフォンということはない。
それでも部屋が違う、マイクロフォンを始めとする器材が違う。
同じ器材だとしても、マイクロフォンの位置は、出展社に対して指定されているとは思えない。
おそらく出展社まかせなのだろう。
こういうことを含めてのオンラインのオーディオショウとしても、
最低限のリファレンスは決めた方がいい。
今年は、まずやることが優先されているのはわかっている。
それでも送り出し側、受け手側、それぞれのリファレンスを有耶無耶にしたままでは、
お祭りのままで終ってしまうことになりかねない。