Date: 9月 24th, 2020
Cate: 老い
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老いとオーディオ(とステレオサウンド・その6)

フィリップス・インターナショナルの副社長の
「なぜならわが社は音楽を売る会社で、ディスクという物を売る会社ではないからだ」は、
出版社にあてはめれば、
出版社とは記事を売る会社で、本という物を売る会社ではない、ということになる。

スイングジャーナルがなくなってしまったのは、
結局のところ、記事を売る会社ではなく、本という物を売る会社のままだったからなのか。

スイングジャーナルの最終号がいつものままのつくりであったことは、
どういうことなのか。

編集部としては、このまま終らせるつもりはない、
復刊させてみせる、という気持があって、
復刊を信じていれば、あえて通常通りの編集を最終号でもやったのかもしれない──、
そういう見方もできる。

でもアドリブが休刊になる前から、
スイングジャーナル社があぶない、というウワサは耳に入ってきていた。

編集部の人たちは、どうだったのだろうか。
このまま消えてしまうのであれば、特別な労力を必要としない、
いつも通りの編集でいいじゃないか──、
そんなどこか投げやりな気持はなかったのか、とも思ってしまう。

どっちでもいいとも思っている。
もし復刊できたとしても、あのままだっただろうから。
復刊できたとしても、いずれまた休刊してしまう。

本という物を売る会社としての出版社。
スイングジャーナルもそうだし、ステレオサウンドもそうなのだが、
どちらも雑誌がメインの出版社である。

ここでの本とは雑誌のことであり、
雑誌を売る会社とは、売る相手は読者だけでなく、広告主もいるということだ。

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