真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その5)
聴いてみたかったKT88のプッシュプルアンプといえば、
ユニゾンリサーチのプリメインアンプP70である。
でもエレクトリはユニゾンリサーチの取り扱いをやめてしまっている。
しかもユニゾンリサーチも、P70、P40(EL34のプッシュプル)の製造をやめている。
P70を聴く機会はなかった。
エレクトリがとりあつかいをやめた理由も、ウワサではきいている。
どんな音だったのか。
周りに聴いている人もいない。
でも、P70のアピアランスは、気に入っている。
優れたデザインとは言い難い。
それでも、コーネッタを接いで鳴らすには、いい感じじゃないだろうか。
そう思いながらも、P70にはトーンコントロールがなかったなぁ……、となる。
1970年代後半ごろから、トーンコントロールをパスするスイッチが、
プリメインアンプにつくようになってきた。
さらにはトーンコントロールを省く製品も出てくるようになった。
いまではトーンコントロールがついている製品のほうが、
高額な価格帯になるほどに少数となってくる。
プリメインアンプにはトーンコントロールは要らないのか。
ステレオサウンド 55号の特集ベストバイで、
瀬川先生はケンウッドのL01Aを、プリメインアンプのMy Best 3の一つにされている。
55号のベストバイでは、誰がどの機種にどれだけ点数を入れたのかまったくわからない。
51号もそうだったのを反省してなのか、55号では各製品ジャンルのMy Best 3が載っている。
瀬川先生のプリメインアンプのMy Best 3は、L01Aの他に、
サンスイのAU-D607とラックスのL58Aである。
ところが59号のベストバイで、瀬川先生はL01Aには一点も入れられていない。