Date: 8月 9th, 2020
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中島みゆきの「帰省」

中島みゆきの「短篇集」。

この「短篇集」で、「帰省」という歌を、はじめて聴いた。

歌詞の前半は、大都市の殺伐とした風景を描写している。
後半からは、変る。
     *
けれど年に2回 8月と1月
人ははにかんで道を譲る 故郷(ふるさと)からの帰り
束の間 人を信じたら
もう半年がんばれる
     *
8月と1月。
盆と正月である。

人は、年に二回、帰省することで忘れかけていたことを自然と思い出す。
けれど、今年は違う。

コロナ禍で、帰省をあきらめている人も多くいる。
妹夫婦も、今夏は帰省しない、といっていた。

ニュースでは、東京から帰ってきた人の家に、
心無い貼紙がしてあった、といっている。

「帰省」で描かれた風景は、今年の盆からはずっと減ることだろう。
正月もどうなることか、わからない。
来年のことも、だ。

このままずっと続いていけば、帰省ということが、世の中から消えてしまうのかもしれない。
コロナ禍がますますひどくなっていった、としよう。

そんな近い将来、たとえば50年後あたりになると、
「帰省」を聴いても、その風景を思い浮べられない人のほうが圧倒的に多いのかもしれない。

そうはならないであろう、と思いつつも、
変らないことは、この世にはない、という現実が、目の前にあるだけだ。

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