世代とオーディオ(実際の購入・その8)
私がコーネッタを購入したのと、ほぼ同じ金額でいま何が買えるのか。
いくつか調べてみた。
たとえばエアパルスのA80というスピーカーシステムがある。
製品の詳細はリンク先を見てほしいが、小型2ウェイのアクティヴ型である。
オープン価格となっているが、ペアでコーネッタとほぼ同じ金額である。
A80を見ていると、いい意味で時代は変ったな、と感じる。
確かにA80は、コーネッタよりもずっと小さい。
それでもアンプ内蔵で、しかもバイアンプドライヴである。
このスピーカーシステムの設計は、フィル・ジョーンズである。
A80の音を聴いているわけではないが、ひどい製品なわけはない、といえる。
1978年ごろ、小型アンプが各メーカーから現れ始めた。
最初はパイオニアだった。
続いてテクニクスが、コンサイスコンポという名称で、さらに小型のアンプを出してきた。
さらにオーレックス、ソニー、ビクター、アイワ、ダイヤトーンも続いた。
テクニクスはスイッチング電源を搭載していた。
そのおかげで、各社の小型パワーアンプのなかで、テクニクスのSE-C01は薄型ながら、
42W+42Wの出力を、W29.7×H4.9×D25.0cmのサイズで実現していた。
いまでは驚くほどのスペックではないが、当時としてはなかなか驚かされた。
いまではスイッチング電源も当り前になって、D級アンプも進歩してきた。
それにともないパワーアンプは、ずっと高効率化している。
体積的には、昔のパワーアンプの何分の一になったのだろうか。
ヒートシンクも、ほとんど不要になっている。
そういう進歩があって、小型スピーカーのアクティヴ化は、
より積極的に行われているといえる側面がある。
コーネッタのころの技術では、A80のようなスピーカーの開発は難しかったし、
かなり高価になっていたはずだし、エンクロージュアの寸法も奥行きがかなり長くなったはずだ。
A80があれば、メリディアンの218とiPhoneがあれば、
そうとうにコンパクトなシステムが、意外にも安価で実現できる。
おそらく、けっこういい音が聴ける、と思っている。