2020年ショウ雑感(その26)
やはりインターナショナルオーディオショウも、今年は中止である。
これまでは開催されるのが当り前と受け止めていた。
これからは、どうなっていくのか。
コロナ禍のゆくえ次第では、当り前が逆転することだって考えられる。
それに考えてほしいのは、開催が当り前であるのは、大都市だけのこと、ということ。
インターナショナルオーディオショウに行きたい、と思っていても、
遠くに住んでいる人のなかには無理、という人もいる。
私だって熊本に住んでいたころ、学生だったころ、
オーディオフェアに行きたく行きたくてたまらなかった。
けれど熊本から東京まで往復の旅費、一泊したとして宿泊費、
そんなことを考えると、とうてい無理だった。
だから、当時のオーディオ雑誌のオーディオフェアの記事は、熱心に読んでいた。
読むよりも、写真を熱心に見ていた。
ステレオサウンドは、あのころ二年続けてオーディオフェアの別冊を出してくれていた。
東京にながいこと住んでいると、そんな感覚が失われてしまう。
それにオーディオ雑誌でのオーディオショウの記事も、昔からすると、
かなりおざなりになっているようにも感じていた。
もっともおざなりになっていく理由の一つは、
出展社のスタッフのなかには、覇気がないというか、
マンネリ感が染みついてしまったのか、せっかくの新製品を来場者に紹介しているのに、
何も伝わってこないことも出てきていることにも関係しているかもしれない。
とにかく当り前のことが当り前ではなくなるのかもしれない。
本音をいえば、今年中止になってよかった、と思うところもある。
おざなり、マンネリ、なげやり、そんな空気が漂い始めてきたように感じていたから、
そういった空気が払拭されるかもしれてないと期待するからだ。