TANNOY Cornetta(その8)
HPD295Aに追加するウーファーとトゥイーターに何を選ぶか。
タンノイには単体のウーファーもトゥイーターもない。
他社製をもってくるしかないわけだが、
心情的にも、トータルとしての音色の統一ということでも、
どちらもユニットもできることならイギリス製をもってきたい──、
そう思っていても、選択肢は少ない。
HPD295Aは25cm口径だから、ウーファーには38cm口径をもってきたい。
そうなると、当時はセレッションのPowercel 15、
リチャードアレンのCG15、ヴァイタヴォックスのAK155/156ぐらいしかない。
Powercel 15はウーファーということになっているが、
センターキャップはたしかアルミ製だったし、周波数特性的には大口径フルレンジといえる。
CG15は、33,000円とHPD295Aのほぼ半分の価格のということで、
なんとなく格負けしそうな印象をもっていた。
AK155/156が本命といえばそういえたが、
このウーファーをバスレフ型エンクロージュアにいれて、
うまく鳴ってくれるのだろうか──、という印象があった。
イギリス製ということにこだわらなければ、アメリカ製がある。
アルテック、エレクトロボイス、JBLが候補としてあがってくる。
アルテックならば416か515ということになるが、
なんとなくタンノイとうまく合いそうにないと感じていた。
聴いたことがあるわけではないのに、そう感じていた。
エレクトロボイスのウーファーは、主として楽器、PA用ということだった。
そうなるとJBLなのか。
2231Aとか2205、LE15Aなどがあるが、HPD295Aの出力音圧レベルは87.5dB/W/mである。
あくまでもカタログ発表値での数値ではあるが、JBLのウーファーのほうが数dB高い。
ヴァイタヴォックスのウーファーは発表されていなかったが、
JBL以上に高能率のはずである。アルテックもそうである。
つまりマルチアンプでなら、出力音圧レベルがウーファーのほうが高いことは問題にならないが、
LCネットワークでシステムをまとめようとすると、やっかいである。