Date: 6月 8th, 2020
Cate: Cornetta, TANNOY
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TANNOY Cornetta(その1)

ステレオサウンド 37号、38号、39号掲載のMY HANDICRAFT、
コーネッタ(Cornetta)は、この記事で誕生している。

私が最初に手にしたステレオサウンドは41号だから、
コーネッタの記事を読んでいたわけではないし、
詳細を知っていたわけでもない。

1978年ごろのステレオサウンド別冊 HI-FI STEREO GUIDEのキットのページに、
このコーネッタは載っている。

ブランドはSSLで、型番はSSL-1。
SSLはStereo Sound Laboratoryの略である。

コーネッタは、このSSL1(エンクロージュア)に、
タンノイの10インチ口径の同軸型ユニットを搭載した状態での名称である。

SSL1に取り付けられるユニットは、IIILZかHPD295(A)のどちらかだろう。
私のところにやってくるコーネッタには、HPD295Aがついている。

なんだ、HPDか……、というマニアが少なくないのは知っている。
HPDシリーズのユニットは、タンノイがハーマンインターナショナル傘下時代のモノだ。

特徴的なのは、ウーファーのコーン紙の裏側に補強リブがある。
これにより振動系の質量は当然増す。
HPD295には、この補強リブはなく、
口径が大きくなる上級機、HPD315、HPD385だけの特徴だ。

HPD295は補強リブはないかわりに、コーン紙裏面の特殊塗料によって、
コーンの強度を増している。

ステレオサウンド 38号には、IIILZ MkIIとHPD295の実測データが載っている。
IIILZ MkIIの振動系の質量は、約24gと約29g、
HPD295となると、約52gと約54gと、ほぼ倍である。

その分f0はHPD295のほうが低い。
この質量差をどう考えるか。

同程度のコンディションのユニットが入手できるのであれば、
HPDよりも……、という気持は私にもないわけではない。

HPDシリーズのユニットを認めないタンノイの熱心なマニアの人たちは、
補強リブに関して、かなり否定的であったりする。

これもわからないわけではない。
けれど、タンノイの同軸型ユニットは、アルテックのそれと違い、
ウーファーのコーンが、中高域のホーンの延長となる。

ならばウーファーの補強リブは、ホーンの補強リブとも考えられるし、
コーン紙裏面の塗料による強度の補強は、
ある種のデッドニングとも考えられよう。

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