トーンアームに関するいくつかのこと(その1)
トーンアームの新製品が、いまの時代でも、というよりも、
いまの時代だからこそ出ている、といったほうがいいのか、
とにかく新製品が日本からも海外からも登場している。
いまでは単体トーンアームは、かなり高価である。
高価になってしまう理由もわからないではないが、
それにしても……、と思うところがある。
アームレストである。
単体トーンアームであれば、アームレストがある。
プレーヤーシステムとしてのトーンアームであれば、
アームレストはキャビネットに立てられていることがほとんどだ。
けれど単体トーンアームではそうはいかないから、
片持ち構造のアームレストがある。
さらにアームレストにパイプを固定するためには、
なんらかの部品がそこにはついている。
このアームレストが、音質上好ましくない存在である。
必要なアームレストであるわけだが、
音楽を聞いているとき、
つまりカートリッジがレコードの音溝をトレースしているとき、
アームレストはフリーな状態(アームを固定していない)である。
片持ち構造のアームレストは、この時振動している。
その振動は音質に影響をもたらしている。
どのトーンアームなのかは書かないが、
ずっと以前、アームレストにいくつか細工をしたことがある。
簡単にできることだが、見た目はひどくなる。
あくまでも実験的に行ったことだが、
アームレストになんらかの対策を施せば、
アームレストがどれだけ音に影響を与えているかが、音で確認できる。
アームレストの影響をなくすには、根元からポキッと折ってしまうことだろう。
そんなことをすれば、トーンアームは固定されず、カートリッジの破損につながる。
アームレストに関しては、
あまり注意を払っていないモデルが、高価なモノでもけっこう、というか、
そうとうに多い。
ここまでの価格にするのであれば、
アームレストに対して、そうとうに注意を払うべきだ。