Noise Control/Noise Designという手法(鼓童 1985年シアターアプル公演・その2)
一発目の音は、力強く叩いた音だ。
二発目の音は、軽く叩いた音だ。
音量の違いが、まずある。
これが面白い、といおうか、興味深い、とでもいおうか、
冒頭のノイズの鳴り方が良くなってくると、
二発目の音は、より小さく聴こえる。
つまり一発目と二発目の音量差が大きくなって聴こえてくる。
こういうふうに鳴ってくるようになると、この録音の面白さがわかってくる。
鼓童のCDは、私がステレオサウンドにいたころ、
井上先生がパワーアンプの試聴に使われたことがある。
ここで取り上げているのと別の録音で、
太鼓が連打されている箇所になると、
パワーアンプによっては、急によたよた、といった感じに陥ってしまう。
連続するエネルギーをスピーカーに供給しきれなくなりつつある、という感じになる。
井上先生は、気絶気味になる、と表現されていた。
その意味では、おもしろいくらいにパワーアンプの力量を丸裸にする。
でも、この時は、鼓童の、音楽としての面白さを感じていたわけではなかった。
こういう試聴には向くソフトではあっても、購入して聴きたいとはまったく思わなかった。
だから買っていない。
e-onkyoで無料サンプルとして用意されていたので、興味半分でダウンロードしただけだった。
初めに聴いたときも、それほど面白いとは感じなかった。
けれど昨年の大晦日の夜、
D/Dコンバーターに手を加えたあとに試しに聴いてみた。
その変化は大きかっただけでなく、
鼓童を音楽として、初めて面白いかも、と思い始めた。
そして最後まで聴いた。