Date: 1月 28th, 2020
Cate: ベートーヴェン
Tags:

シフのベートーヴェン(その6)

アンドラーシュ・シフはハンガリーのピアニストである。
ハンガリーのピアニストには、私の好きなアニー・フィッシャーもいる。

アンドラーシュ・シフは1953年12月21日、
アニー・フッシャーは1914年7月5日うまれ。
二世代ほど離れている。
アンドラーシュ・シフは男、アニー・フッシャーは女。

こんな違いをならべたところで、
二人のベートーヴェンの演奏の違いに、どこかつながっていくとは思っていないけれど、
まったく無関係とも思っていないところが、私にはあるようだ。

だから、つい書いてしまうのだろう。

アニー・フッシャーもベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を録音している。
フンガロトンから出ている。

録音は、1977年から78年にかけて行われている。
2002年にCDが出た。
買いそびれてしまっていた。

2014年にふたたび出た。

アニー・フッシャー自身は、この録音に満足していなかった、とも伝えられている。
それでも聴いていると、素晴らしいベートーヴェンだ、と私は思う。

どこが不満なのか、どこに懐疑的だったのかは、いまのところ私にはわからない。
おそらく、これから先もわからないままなのかもしれない。
でも、ずっと聴きつづけていくであろう、とおもっている。

最初は、「アニー・フッシャーのベートーヴェン」というタイトルで書こうと考えていた。
なのに、ここで書いているのは、二人ともハンガリー出身という共通点を思い出したからだ。

とはいえ、二人のベートーヴェンの演奏を逐一比較しながら書いていこう、とはまったく考えていない。
書きたい、というよりも、私自身がその理由を知りたいのは、
私にとってアンドラーシュ・シフの演奏は、デッカ時代、いまのECMの録音をふくめて、
聴いてしばらくは何度も聴いていたのに、ある時からパタッと聴かなくなってしまう。

素晴らしいピアニストだ、ということを疑ってもないのに、
なぜ、そんなふうになってしまうのか。それが知りたいだけである。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]