ダイレクトドライヴへの疑問(その38)
私が高校生のころ使っていたダイレクトドライヴ型は、
国産の普及クラスの製品で、私にとって、初めてのダイレクトドライヴ型でもあった。
ある日、ターンテーブルプラッターを外して、モーターを廻してみたら、
センタースピンドルが、カクカクした感じで回転している。
いわゆるコギングである。
スムーズに回転しているものだとばかり思っていたから、
このコギングは、かなり衝撃的だった。
ターンテーブルプラッターの慣性を利用して、
結果としてはスムーズに回転している、という説明をその後すぐに知ったけれど、
肝心の回転が、こんなにカクカクしていて、ほんとうに問題ないのか。
それになぜ、センタースピンドルでターンテーブルプラッターに回転を伝えているのかも、
これまで書いてきているように、非効率のように思えた。
この普及クラスのダイレクトドライヴ型プレーヤーのせいで、
私のダイレクトドライヴ型に対する不信感は、一拠に大きくなった。
パイオニアのPL30、50、70、
それにExclusive P3が登場する前のことだ。
パイオニアが、このころ採用したSHR(Stable Hanging Rotor)方式の解説図、
これを見てダイレクトドライヴ型のすべてがセンタードライヴでないことに気づいた。
SHR方式を理解しようとして、まずつまずいたのが、
ダイレクトドライヴ・イコール・センタードライヴという思い込みだった。
それでどうやってSHR方式を実現できるのだろうか、とけっこう考えたものだった。
カタログに載っていた図を見て、なんだぁ、と気づいたわけだが、
おかげでセンタードライヴではないダイレクトドライヴ型に気づけた。