どこに修理を依頼したらいいのか(大事なひとこと)
六年前に「チューナー・デザイン考(パイオニア Exclusive F3・修理のこと)」で、
パイオニアサービスネットワークのことを書いた。
パイオニアのExclusiveの修理をやっている会社である。
いまのところ現在形なのだが、9月いっぱいで修理の受付を終了する。
すでにいくつかのオーディオ関係のサイトやSNSで取り上げられている。
人によって受け止め方は違うけれど、
私は、いままでよくやってくれた、と思う気持が強い。
もちろんもっとながく続けてほしい、という気持はあるが、
それはもう無理というものだろう。
製造中止になってながい時間が経っているオーディオ機器の修理のことは、
これまでもいくつか書いてきた。
故障しないオーディオ機器は、まずないわけだから、
ほとんどの人がいつかは直面する問題である。
昨晩、Exclusiveの修理が終了することが話題になった。
メーカーであれ、輸入元であれ、オーディオ機器をオーディオマニアに売る。
そこでは、メーカー、輸入元の人が、
オーディオマニア(つまり客)に「ありがうとございました」という。
必ずしも客と顔を合せるとは限らないから、つねにそういうわけではなくても、
「ありがとうございました」というのは、売る側の人である。
けれど修理となると違ってくる。
修理を依頼してきた人(オーディオマニア、客)が、
メーカー、輸入元の人に「ありがとうございました」ということになる。
ユーザーから「ありがとうございました」という感謝のことばをもらえる。
修理、特に製造中止になってずいぶんな時間の経ったモノの修理はさらにたいへんなのだが、
この「ありがとうございました」のことばが聞けるからこそ、やりがいがある──、
そういう話をきいた。
修理代金をきちんと払っているのだから……、
なぜ客側が「ありがとうございました」といわなければならないのか──、
そう思う人はいるのか。
それでも、言おうよ、といいたい。
たった一言で、修理にかかわってきた人たちの気持は変る。
パイオニアサービスネットワークへも、多くの「ありがとうございました」があったのだとおもう。