598というスピーカーの存在(KEF Model 303・その11)
「コンポーネントステレオの世界 ’80」に、KEFのModel 303は、
瀬川先生による組合せは登場していない。
「コンポーネントステレオの世界 ’81」という別冊が出ていれば、
そこに登場していたことだろう。
けれど「コンポーネントステレオの世界 ’81」そのものが出なかった。
「コンポーネントステレオの世界 ’82」は出た。
けれど、そこには瀬川先生はいなかった。
瀬川先生による303の組合せは、ステレオサウンド 56号のなかに出てくるだけである。
だからよけいに、56号での組合せが記憶に残っているのかもしれない。
「コンポーネントステレオの世界 ’80」に303が間に合っていれば、
JBLの4301のかわり、もしくはA案は4301で、B案は303となっていたであろう。
アンプは、4301も303ともに、ラックスのL58Aだった、と思う。
そんなことを想像していると、303をL58Aで鳴らしてみたい、,という気持がわいてくる。
L58Aは148,000円のプリメインアンプである。
サンスイのAU-D607の二倍の価格だ。
この組合せも聴いてみたい、と思いつつも、
サンスイのAU-D607は価格的なバランスを含めて、やっぱりいい組合せと思えてくる。
そのころのサンスイには、AU-D607の上にAU-D707が、
さらにその上にAU-D907もあった。
AU-D707もいいプリメインアンプだった。
AU-D607よりも、充実した音のプリメインアンプといえた。
そんなことを思い出していると、
303にAU-D707のほうが、607よりもいい音に鳴ってくれそうだし、
607と707の価格差は25,200円である。
それほどあるわけではない。
56号の組合せでも、組合せのトータルは30万円を超えるが、
大きく超えるわけではない。
このころの25,200円の価格差は、
現在の中古市場では、どの程度の差になるのか。
ヤフオク!を先月眺めていたところでは、小さくなっている。
こうなると、303にAU-D707の組合せはどうだろうか、と妄想が少しずつ加速しはじめる。