カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(余談・その15)
私がグラシェラ・スサーナのミュージックテープを買っていた1976、77年は、
LPよりもミュージックテープの方が高かった。
3,800円とか3,200円していた。
3,000円を切るミュージックテープは、当時、グラシェラ・スサーナに関してはなかった。
高いなぁ──、と感じていた。
高い割には、テープヒスが多いじゃないか……、
そんなことも、実は思っていた。
ミュージックテープの製作は、手抜きしているんじゃないか、とさえ思ったこともある。
LPよりもミュージックテープが高くなるのは、理解はしていた。
LPはスタンパーを作れば、あとはプレスで大量生産できる。
テープはそうはいかない。
一本のミュージックテープのために一台のデュプリケーターが必要になる。
高速ダビングしているであろうが、それでもそこそこの時間はかかってしまう。
定価が高いのはわかっていた。
それならば、もっとクォリティが高くてもいいんじゃないか、と勝手に思っていた。
でも今回K1dでグラシェラ・スサーナのミュージックテープを聴いて、
単に私の再生環境(テープデッキ)が良くなかっただけだったのかもしれない。
そんなことも思いはじめている。
そのころの普及クラスのカセットデッキは、そういうレベルだった、ともいえるし、
そういえば、と思い出すのは、以前瀬川先生がFM fanで書かれていたことだ。