カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(余談・その5)
アキュフェーズが、カセットデッキを出していたら、
どんなモノになっていただろうか、と想像するのはけっこう楽しいし、
その音についても、勝手に想像するのもさらに楽しい。
けれどアキュフェーズからはカセットデッキは出なかった。
ナカミチのカセットデッキと肩を並べるモノを出してきたかもしれない。
なぜ、アキュフェーズはカセットデッキを出さなかったのか。
結局は、アンプと同じレベルのアフターサービスの維持が困難だったからではないのか。
アキュフェーズのアフターサービスについては、
ユーザーであればご存知のはず。
ユーザーでなくてとも、アキュフェーズのアフターサービスについて、
悪い話は聞いたことがない。
アキュフェーズはしっかりしている、という話ばかりを聞く。
カセットデッキで、これだけのアフターサービスは無理ではないだろうが、
その分会社への負担は大きくなるだろう。
オーディオの業界では、修理を専門とするところ(人たち)がいる。
そういう人でも、カセットデッキの修理だけはやりたくない、という。
そうでない人もいるだろうが、
カセットデッキの修理はやりたくない、という人の気持はよくわかる。
修理というのは、モノにもよるが大変な作業である。
自分で作ったモノを修理するのではない、
誰かが作ったモノを修理するのは、
修理の対象となる製品を理解していなければ、できないことである。
カセットデッキの修理は、故障の程度にもよるが、
アンプの修理よりも手間も時間も神経も使う作業である。
アキュフェーズがカセットデッキを開発しなかった理由はわからないが、
アフターサービスのことを抜きにしての理由はないはずだ。