カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(余談・その3)
高校生のころ欲しかったカセットデッキの一つに、
ラックスのK12、5K50がある。
K12が、ラックスにとって最初のカセットデッキだったか。
メタルテープの登場にあわせるかのように、K12が出てきた。
他社のカセットデッキとはちょっと違う趣のアピアランスに、
高校生の私はなんとなく惹かれた。
K12は、128,000円だった。1978年ごろである。
ラックスのカセットデッキのラインナップは、その後充実していく。
5K50は280,000円という、当時としては最高級機といえるモデルだった。
ここまでの製品を開発して出してくるということは、
ラックスのカセットデッキは売れていたんだろうな、と思う。
同時期にナカミチは680ZXを出した。
自動アジマス調整、半速録音・再生機能をもったモデルは、
高校生の私には、フラッグシップモデルの1000IIよりも魅力的にうつった。
1000IIはメタルテープに対応していなかった。
680ZXは当然対応していた。
比較試聴したことはないけれど、メタルテープと680ZXの音は、
1000IIを肩を並べるか、部分的には上廻っていたのではないだろうか。
680ZXは238,000円だった。
ラックスの5K50が高いとはいえ、同価格帯のカセットデッキであり、
どちらも、当時欲しかったカセットデッキだったが、
どちらか一台となると、5K50に魅力を感じた。
音は680ZXのほうが優れていたであろう。
でも、680ZXのイジェクト用のレバーと、
全体的な武骨な感じが、あと一歩、欲しいという気持にまで達していなかった。
でも音を聴いたら680ZXがいい、といっていたかもしれない。