オーディオ機器の付加価値(買い方によって……・その2)
amazonの日本語サイトが公開されたのが2000年。
一、二年経ったころ、インターネットで見かけるようになったのは、
書店で立ち読みして欲しい本を見つけたら、amazonで買う、というものだった。
そのころのamazonは書籍のみだったが、取り扱い品目は増えていった。
いまや何でも売っている。
そうなってくると、オーディオに限っても、
量販店や専門店で試聴して、インターネットで価格のいちばん安いところ調べ、そこで買う──、
そういう人が登場してきた。
今日、twitterを眺めていたら、フォローしている人がリツィートしている投稿が目に留った。
秋葉原にあるヘッドフォン、イヤフォン専門店で、
約二時間試聴して、気に入ったイヤフォンを見つけた。
それは三千円のイヤフォンであった。
気に入ったイヤフォンがいくらであってもかまわない。
試聴の二時間、一人の店員がつきっきりだったそうだ。
店員の心境はわからない。
気に入るイヤフォンが見つかってよかった、
その役に立てた、と喜んでいたかもしれない。
けれど、それはその人がその店が買ってくれれば、の話だろう。
二時間試聴した人は、そこでは買わずamazonで買った、そうである。
そんなことをツイートしているわけである。
少しでも安いところで買いたい、という気持はわからないわけではない。
それでも三千円が、どんなに安いところで買ったとしても、
半額になることはまずない。
せいぜい数百円の違いではないだろうか。
それでも、その人は二時間もの試聴を快く許してくれた店では買わなかった。
この人は、二時間の試聴につきあってくれた店員になんといって店を出たのか。
しかも、そのことを恥ずかしげもなくツイートする。
この投稿をリツィートしていた人は、
エントリークラスの商品が先細った理由の一つか? とコメントされていた。