Date: 5月 28th, 2019
Cate: 電源
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スイッチング電源のこと(その3)

ビクターのM7070、金田式DCアンプ(聴いたことはなかったが)では、
スイッチング電源に対してネガティヴな印象は持たなかった。

この時代、スイッチング電源はメーカーによってはパルス電源とも言っていた。
テクニクスのコンサイスコンポのパワーアンプSE-C01も、
パルス電源(スイッチング電源)採用だった。

M7070とSE-C01とではサイズも重量も大きく違っていた。
スイッチング電源を採用した理由も、おそらく違っていたであろう。

SE-C01は小型化を優先してのスイッチング電源の採用だったはずだ。
このころから他社からもいくつか登場した。
そして、このころからスイッチング電源は音は悪い、という印象が出てき始めた。

1980年代にはいるころには、スイッチング電源は消えてしまったように思われた。
そして数年が経ち、「スイッチング電源なのに……」というふうに印象を変えたのは、
スチューダーのCDプレーヤー、A730ではないだろうか。

それまでは「スイッチング電源だから……」、
そんなネガティヴな捉え方が一般的になっていた。

M7070は、ステレオサウンド 45号の新製品紹介で、井上先生が担当されている。
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 M7070は、モノ構成の完全なDCアンプである。電源関係を重視した設計であるために、A−B独立電源のBクラス動作をするパワー段には、一般の商用電源を一度DCに整流した後に数10kHzのパルスに変換し、高周波用トランスで変換してから再び整流してDC電源を得るDクラス電源に、制御系にPWM方式を用い応答速度を高めた定電圧電源が使用されている。これにより、電源の内部インピーダンスを高域まで非常に低くすることが可能となり、電源のレギュレーションは、理想の電源と言われた蓄電池をしのぐものとしている。
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ビクターの謳い文句を信じるのであれば、M7070に搭載されたスイッチング電源は、
従来の電源方式では無理な特性を実現するためであり、
特に応答速度の向上がいちばんの目的だったのではないのだろうか。

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