Date: 4月 3rd, 2019
Cate: 戻っていく感覚
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戻っていく感覚(「風見鶏の示す道を」その14)

毒をもって毒を制す、と、
昨年と今年に、一回ずつ書いている。

その他にも、オーディオの毒、音の毒についても何度か書いてきている。

それを読まれた方のなかには、ここで取り上げている音、
嫌いな音、ききたくない音を徹底排除した音も、そんな毒の一種といえるのではないのか、
そう思われるかもしれない。

私は毒とは思っていない。

さらにステレオサウンドを古くから読まれていて、記憶のいい方ならば、
ステレオサウンド 210号掲載の
黛健司氏の「ベストオーディオファイル賞からレコード演奏家論へ」を読まれて、
そういえば、と思い出されることがあると思う。

247ページに、
《ある方の音については「……さんの出されている音には普遍性がありませんでしたが、一枚の特定のレコードにかぎり、私がかつて聴いたことのないような音で、私を説得し、感動さしめたということはたいへんなことだと思います」と驚嘆された》
とある。

この方について、菅野先生は「オーディオ羅針盤」のなかでも触れられている。
この方については、私は別項「正しいもの」で触れている。

一枚の特定のレコードとは、
バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニーを振ってのマーラーの第四番である。
CBS録音であり、CBSソニーから発売された日本プレスのLPであり、
……さんとは、66号のベストオーディオファイル賞に登場された丸尾儀兵衛氏である。

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