Date: 3月 3rd, 2019
Cate: 真空管アンプ
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Western Electric 300-B(その5)

私が考えている300Bプッシュプルアンプは、
別項「現代真空管アンプ考」で書いていることとは、また別のモノだ。

究極の300Bプッシュプルアンプを、と考えているわけではない。
なんといったらいいんだろうか、気の向くままに作ってみたい、と思っている。

プッシュプルアンプも突き詰めて考えれば、
出力トランスそのものがプッシュプル動作をしているのか、まで考えていくことになる。
そうなってくると、出力トランスをどこかに特註ということになる。

そこまでやるのならばフィラメントも定電流点火にしたくなる。
出力管の300Bだけでなく、電圧増幅段の真空管も定電流点火──、
ここまでくると電源トランスも、ヒーター(フィラメント)用に専用トランスということになる。

そんなふうにだんだんと大がかりなモノになってしまう。
そういう世界のアンプを追求することもまた楽しいが、
私は300Bプッシュプルアンプに、そんなことは求めたくない、という気持がある。

300Bの固定バイアスでなく自己バイアスでいい。
出力トランスも市販のモノから選びたい。
そうなってくると、プッシュプルの平衡度を厳密に考えようとは思わないから、
電圧増幅段、位相反転回路の構成も変ってくる。

入力にトランスを使えば、そのまま一段増幅し、出力段(300B)という構成になる。
真空管の数も少なくてすむし、位相反転回路も要らない。

プッシュプルアンプとして、シンプルな、理にかなった構成なわけだが、
そんなアンプが作りたければ、それは「現代真空管アンプ考」でのアンプとしたい。

それにそんなプッシュプルアンプだと、出力トランスのことが再び気になってきて、
大げさ、大がかりなプッシュプルアンプへと発展してしまう。

そうなるのを抑えたい、
そんな気にならなくなるアンプを目指したい。

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