Date: 1月 27th, 2019
Cate: 世代
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世代とオーディオ(その表現・その5)

家族にとっては、新しい生命の誕生は、確かにOnly oneである。
けれど「世界の一つだけの花」の歌詞は、《もともと特別なOnly one》である。

Only oneの前に「特別な」がつく。
「特別な」がつく以上、
マーク・トウェインがいうように《なぜ生れてきたかを見出し》てこそのである。

マーク・トウェインの
“The two most important days in your life are the day you are born and the day you find out why.”
あなたの人生で最も重要な二つの日は、あなたが誕生した日と、なぜ生れてきたかを見出した日である。
このことばを知らない人であっても、
《もともと特別なOnly one》という歌詞に、素直に首肯けない人は少なからずいたのではないのか。

《もともと特別なOnly one》、
そんなことあるわけないじゃないか──、
そんな声ならぬおもいが、
「フツーにおいしい」とか「フツーにかわいい」というところに滲んできているように感じる。

フツーと特別は、いわゆる対語の関係である。

《もともと特別なOnly one》、
この歌詞で一時は慰められたとしても、
一歩社会に出れば、そうじゃない……、とは肌で感じられるものだ。

《なぜ生れてきたか》を見出せていないことを自覚している人もいれば、
見出せていると錯覚している人もいよう。

私だって、錯覚しているだけなのかもしれない。
それゆえ《もともと特別なOnly one》のところに反撥しているのかもしれない。

それに見出せている人よりも、
「世界の一つだけの花」をきいてなぐさめられたり、元気をもらった、といえる人のほうが、
ずっとシアワセかもしれない。

そういえばいま書店に並んでいる文藝春秋に、
「SMAPと平成に最も愛された歌『世界に一つだけの花』が教えてくれた」というタイトルの、
槇原敬之、水野良樹の対談が載っている。

電車の吊り広告で知った。
読む気はない。

文藝春秋の読者層は、かなり高いと思っている。
たぶん高いはずだ。
そんな文藝春秋が、2002年にリリースされた「世界の一つだけの花」を取り上げている。

「世界の一つだけの花」は、広い年齢層に受け入れられているということなのか。

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