オーディオ評論をどう読むか(その5)
(その4)へのコメントが、facebookであった。
そこには、こんなことが書かれてあった。
コメントを書いてくれた人が読んだオーディオ関連の本には、
オーディオ評論家は専門知識に明るくない方がいい──、
そんなことが書いてあったそうだ。
誰が書いたのだろうか。
オーディオ評論家は……、と書いてあるくらいだから、
オーディオ評論家ではないだろう。
どんな人が、どういう立場の人が、このことを言ったかによっても、
受け止め方は違ってくるところがある。
ただ専門知識といっても、生半可な専門知識ではない。
中途半端な知識であれば、確かにないほうがいいと私も思っている。
井上先生がよくいわれていたこと、
頭で聴くな、耳で聴け、
このことはその程度の知識をもっているがゆえに起ることでもある。
もちろん基礎知識は必要である。
けれど専門知識となると、それを身につけるにはどれだけの時間と情熱を要するのか。
それにその過程においては中途半端であるのも確かである。
ならば、そういった専門知識はない方がいい。
頭で聴くことはなくなるからである。
けれど、オーディオ評論家は専門知識に明るくない方がいい──、
と書いていた人がメーカーの人だったりすると、受け止め方は違ってくる。
メーカー側にとって都合のいい広報マンとしてのオーディオ評論家ならば、
専門知識に明るくない方がいいのは確かなことだ。