Date: 6月 12th, 2018
Cate: audio wednesday
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30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その16)

一年前の6月のaudio wednesdayで「THE DIALOGUE」をかけた。
私にとって、まさに30年ぶりの「THE DIALOGUE」だった。

この時はハイブリッドディスクのCDレイヤーでの再生、
今年になってSACDレイヤーでの再生になった。

どちらで聴いても、「THE DIALOGUE」を最初に聴いたときのイメージと重なってくる。
「THE DIALOGUE」を初めて聴いたのは、
瀬川先生が定期的に来られていた熊本のオーディオ店でのことだった。

記憶が少し不確かだが、カートリッジの試聴のときに瀬川先生が持参されていたはずだ。
そこにエンパイアの4000D/IIIがあった。
1978年ごろのことだ。

4000D/IIIはクラシックを聴くカートリッジではない──、
瀬川先生はそんなことを話されていた。
気持いいくらいに乾いた音だった。

確かにヴォーカルのしっとりした感じは出してくれそうにないほどに、乾いた音。
パーカッションが大好きならば、何を措いても、このカートリッジを手に入れるべきだろう、
と思ったほどに、というより、
クラシックをメインに聴く私でも、
パーカッションのために、このカートリッジは欲しい、と思うほどだった。

爽快な音とは4000D/IIIのような音のことをいうのだろう。
そんな4000D/IIIで「THE DIALOGUE」を聴いた。

このころ市販されていたカートリッジで、
「THE DIALOGUE」を4000D/III以上に鳴らすモデルはあっただろうか。

いま聴くとがっかりするんだろうか……、
たぶんそうだろうなぁ、と思いながらも、
もう一度、今度は自分の手で鳴らしてみたい、と思う。

audio wednesdayで「THE DIALOGUE」をかけるたびに、
今年はその気持が強くなっていっている。

「THE DIALOGUE」のLP、エンパイアの4000D/IIIを手に入れなければならないし、
喫茶茶会記にあるアナログプレーヤー(トーンアームはオルトフォンのRMG309)では、
4000D/IIIには不向きなモデルである。
なので別のアナログプレーヤーを持ってこなければならない。

たいへん面倒だな、と思いつつも、なんとかしたい、とも思う。
4000D/IIIのように際立った音のカートリッジ、いまはあるのだろうか。

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