オーディオにおけるジャーナリズム(デジタルデータの流用・その3)
今回と同じデジタルデータの流用は、
オーディオ雑誌だけに限ったことではない。
facebookやtwitterといったSNSに、事件や事故、その他の写真や動画が公開される。
その場にいた人がスマートフォンで撮影したものである。
それをテレビ局が無断で放送してしまうことが、以前度々あって、
そのことでSNSで炎上したこともあって、最近では使用許諾をとっているようである。
テレビとオーディオ雑誌とでは、見る(読む)人の数が大きく違う。
テレビ局がいまもそんなことをやっていたら、SNSで叩かれる(炎上する)。
今回の件は、それとはちょっと違うところがある。
スマートフォンで撮影した写真や動画と、オーディオのカタログや広告とは同じには語れない。
カタログ、広告の著作権はどこにあるのかといえば、
広告制作会社、カタログ制作会社なのか、それともメーカー、輸入商社なのか。
私がthe re:View (in the past)で、
そういった古い広告を公開しているのは、だからグレーゾーンだということは認識している。
それでも、こうやってスキャンしてデジタルデータとしておかないと、いずれ消失してしまう。
広告が掲載されている雑誌そのものが処分されてしまうだろうし、
広告の原版が、メーカーや輸入商社に、いまも保管されているかといえば、
必ずしもそうではない。
(その1)で書いている、ある会を主宰される人が問い合せされたオーディオメーカーは、
オーディオだけのメーカーではなく、大企業である。
でも、そこにも40年前の広告に関するものは残っていないわけだ。
カタログも同じなことを知っている。
すべてを保管しているメーカーはどのくらいあるだろうか。
それに残っていたとしても、ただ保管されているだけでは死蔵でしかない。
カタログも広告も、貴重な資料ということを、
メーカー、輸入商社の人たちは理解しているのだろうか。