オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その12)
テクニクスのSP10R、SL1000Rが正式に発表になり、5月25日に発売になる。
ターンテーブルとしての性能(動特性ではなく静特性)は、
さすがはテクニクスといえるレベルに仕上がっている(ようだ)。
デザインは……、
写真を見ただけで語るのは、いまのところ控えておこう。
それでもひとつだけいいたい。
SL1000Rのダストカバーについて、である。
ほんとうに、このダストカバーのままで出荷されるのか。
そこには何のセンスも感じられない。
発表されている写真をみるかぎり、ヒンジはない。
いわば蓋である。
けっこうな大きさの蓋である。
アナログディスク再生時にダストカバーをした状態とそうでない状態とでの音は、
どんなアナログプレーヤーであっても違うものである。
テクニクスは、ダストカバーをした状態の音を標準としているのか、
それともなしの状態の音を標準としているのか。
どちらであったとしても、ダストカバーをどうするのかは、
使う人次第でもある。
必ず再生時にはダストカバーをしている人もいる。
そういう使われ方の場合、SL1000Rのダストカバーにはヒンジがないのだとしたら、
ディスクのかけかえのたびに両手でダストカバーを外したり被せたりしなくてはならない。
再生時にはダストカバーをしない人の使い方では、
再生時には決して小さいとはいえないサイズのダストカバーを、
リスニングルームのどこかに置く場所を確保しなければならない。
何の配慮も感じられないSL1000Rのダストカバーである。