plain sounding, high thinking(その7)
3月のaudio wednesdayで、075用のネットワークの準備をしていた時に、
常連のTさんにいわれたのは、ここで鳴っている音は宮﨑さんの音と思っている、ということだった。
ことさら自分の音を、喫茶茶会記で鳴らしているつもりは、実はまったくない。
だから、否定してしまったわけだが、
それでも私が鳴らしている音にはかわりないわけで、
私の音といえば、そういうことになる。
私の音ではない、とつい否定してしまったのは、
セッティングし、時には鳴らしながらチューニングしていっていても、
常に、来ている人からのリクエストがあれば、
そちらへとチューニングの方向を変えていけるだけの領域を残しているからなのかもしれない。
むしろ毎回心掛けているのは、
いかに目の前にあるスピーカーを気持良く鳴らせるか、である。
表現を変えれば、そのスピーカーらしく鳴らすか、である。
どんなスピーカーも、そのスピーカー固有の特性(音)を持つ。
それを無視するかのように、強引に自分の音で鳴らす、というアプローチをとる人がいる。
それを自慢する人もいるが、ほんとうに自慢できることだろうか。
そういう鳴らし方(つまりワンパターンな鳴らし方)しかできないからではないのか。
そんな鳴らし方は絶対にしないように心掛けている。
そのために必要なことは、目の前にあるスピーカーから鳴ってくる音を、
きちんと聴くことである。
そうすることで、目の前にあるスピーカーとコミュニケーションが始まる。