オーディオの楽しみ方(つくる・その19)
聴感上のS/N比の向上が、聴感上のfレンジの向上に結びついているということは、
つまりは聴感上のS/N比の劣化が聴感上のfレンジを狭くしている、ということである。
このことは以前も書いているが、大事なことであるだけに忘れないでほしい。
どうせトゥイーターをつけるんだから、聴感上のfレンジが狭くなっていても、
別にかまわない、と考えないでほしい。
聴感上のfレンジがどの程度なのかによって、
トゥイーターの追加も、どのあたりクロスさせるか、そのへんのパラメーターも変ってくる。
当然だが、トータルのパフォーマンスも違ってくる。
聴感上のS/N比を劣化させないための方法は、
なにもCR方法だけではない。他にもいくつもある。
ひとつひとつは地味なこと、といっていい。
具体的なことは、あえて書かない。
聴感上のS/N比ということが、どういうことなのかがはっきりとわかってくれば、
どういうことをやればいいのかはおのずとはっきりしてくる。
CR方法をやる前は、トゥイーターをつけるにしても、
クロスオーバー周波数は3.5kHzあたりかな、
もし少し上まで使ったとしても6kHzが上限かな……、そんなふうに感じていた。
けれどCR方法で聴感上のfレンジがのびたSICAの音を聴いていると、
いわゆるトゥイーターをコンデンサーひとつだけで接ぐ、もっとも簡単なやり方で、
しかもトゥイーターのカットオフ周波数はぐんと上に持ってきても、
うまくいきそうというか、こっちの方がよさそうに思えてきた。
先週末、秋葉原に行き、コンデンサーを購入。
トゥイーターも先方にすでに届いている。
来週あたりには、トゥイーターをつけることになる。
土曜日には、ウーファーもつけたら……、という話が出た。
そうなるかもしれない……、と思いながら、
瀬川先生が4ウェイの自作システムを、フルレンジからスタートさせる、のは、
そういう意図があったのか、と気づいたことがある。
マルチアンプシステムで、4ウェイのシステムともなれば、
しかもユニットも混成ということになると、ひどくバランスを逸した音になることがある。
バランスを見失ってしまうことがある。
そんなとき、フルレンジからスタートしているわけだから、
いつでもフルレンジ単体の音を確認できる。