Digital Integration(デジタルについて・その10)
最初にことわっておくが、
デジタルケーブルに、アナログのラインケーブルを使うことをすすめているわけではない。
ひとつの試みとして、本来75Ωのデジタルケーブルを使うところに、
ラインケーブルを使ってみた場合の音の印象、
それも共通するところがあった、ということである。
たとえばデジタルケーブルに、銀線のラインケーブルを使う。
銀線には、よくいわれるような音がすることが多い。
そのとき使った銀線のラインケーブルも、銀線らしい、といわれるそうな傾向の音を、
ラインケーブルとして使ったときには聴かせる。
この銀線のラインケーブルをデジタル伝送(SPDIF)用として使う。
するとおもしろいことに、銀線らしい音になる。
試しに他のラインケーブルもいくつか用意して交換してみる。
どれも75Ω用として設計されたケーブルではない。
だから信号の反射も起っている、とみるべきである。
くりかえすが、ここでいいたいのは、そういったラインケーブルの方が音がいい、とか、
そうでない、とか、ではなく、音の変化に共通性が、
アナログとデジタルにおいても生じる、ということである。
聴きなれたラインケーブルを、デジタル用として使う。
そこで聴ける音は、アナログ信号を流しているときに感じた音の印象とほぼ同じである。
ケーブルの音に関係してくる要素としては、線材の種類、純度、芯線の太さ、
芯線の本数、絶縁体の材質、厚さなど、こまかなことが挙げられる。
それらを相互に関係してのケーブルの音となっていると考えられるが、
アナログ信号であろうとデジタル信号であろうと、
音の印象がほぼ同じか近い、ということが意味するのは、
ケーブルの音に影響するのは、時間軸もそうではないのか、というところに行く。
ラインケーブルをデジタル伝送に使った、
そのデジタル伝送とは、上に書いているようにSPDIFである。