Date: 11月 20th, 2017
Cate: 戻っていく感覚
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好きな音、好きだった音(その1)

別項「つきあいの長い音」について考えていると、
好きな音は、いつしか好きだった音になってしまっているのか、と考えてしまう。

10代のころ、BBCモニターとその系列の音が好きだった。
スペンドールのBCII、ハーベスのMonitor HL、
ロジャースのLS3/5A、それにPM510。

BBCモニター系の音とはいえないが、
セレッションのDitton 66、QUADのESL(ESL63は好きにはなれなかった)も好きだった。

JBLのスタジオモニターの存在に憧れながらも、
音を聴いて「あっ、いい音だな……」と呟きたくなるのは、
決ってイギリスの、それもダイアフラムが金属ではないスピーカーばかりだった。

どのスピーカーの音にも、うるおいがあった。
乾き切った音を出すことは決してなかった。

そういう音が好きな人からは、ボロクソにいわれがちでもあった。
音が湿っている、とか、鈍い、とか。
そんな評価を聞くことはけっこうあった。

けれどうるおいのない音に惹かれることはなかった。

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