Date: 11月 5th, 2017
Cate: 組合せ
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スピーカーシステムという組合せ(その11)

「誌上シンポジウム システムスピーカー使いこなし」での組合せ例18の中の2例。
2ウェイから、トゥイーターを加えた3ウェイへの組合せ例について書いた。

古いスピーカーの教科書に載っているやり方とはそうとうに違う、
メーカーの実際のやり方のほんの一例である。

2ウェイにしても低域・高域のカットオフ周波数は離れていて、
トゥイーターが加わることで、高域側のカットオフ周波数が変る場合と同じ場合とがある。

組み合わせるスピーカーユニットの能率が完全に同じならば、
ネットワークの設計はそれだけでも楽になるが、現実にはそうではない。

市販されているスピーカーシステムでも、厳密にいえばレベルコントロールをいじれば、
クロスオーバー周波数はわずかとはいえ変っていくものであることは、以前にも書いている。

ここではオンキョーのシステムスピーカーの詳細について書くのが目的ではなく、
ネットワークの設計(カットオフ周波数の決め方)にしても、
古い教科書に縛られていたら、
うまくいかないことがある(むしろその方が多いのかもしれない)ということだ。

記事の最後のほうで、瀬川先生が語られている。
     *
瀬川 一番初めに、スピーカーシステムの自作が難しくなっているということを言ったのですが、とくにこのシリーズで顕著なのはネットワークのフィルターの考え方なんですね。これは専門家の間でもずっと前からいわれてきたことであるにもかかわらず、スピーカーシステムの入門書、教科書を見ると、いまでも遮断周波数から6dBや12dBか18dBかというような、机の上でのネットワークしか出ていない。ところが、実際のスピーカーというのは、定規で引いたような一直線の特性ではないんだから、スピーカーの特性に合わせてネットワークの遮断周波数とカーブをかなり有機的に選んでいかないと、マルチウェイというのはうまくいかないということを、製品で示した功績は大きいと思います。
 少なくともこのインストラクションを隅から隅まで時間を眺めていますと、いままでの机の上の理論では説明できないことがいっぱい出てきます。われわれも今回、ここで音を聴きながら、そうじゃない方向、そうじゃない方向と悪あがきしてみたけれども、結局はこの不思議な遮断特性をもったフィルターがやっぱりうまくいくということを、再確認させていただいたみたいなことで、フィルターの難しさというのを、このネットワークは面白く教えてくれますね。
     *
インストラクション(レイアウトブック)と「誌上シンポジウム システムスピーカー使いこなし」。
このふたつを熟読するだけでも、スピーカーシステムの面白さが伝わってくると思う。

いまごろになって、オンキョーのレイアウトブックを手に入れておけばよかった……、
少し後悔している。

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