Date: 10月 29th, 2017
Cate: 組合せ
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スピーカーシステムという組合せ(その6)

スピーカーシステムにおけるクロスオーバー周波数とカットオフ周波数は、
必ずしも同じ値とは限らない。

クロスオーバー周波数が仮に800Hzのスピーカーシステムの場合、
ウーファーのカットオフ周波数もトゥイーターのカットオフ周波数も800Hzが、
いわば教科書的設計であるが、
一方でウーファーのカットオフ周波数を低域側に下げて、
トゥイーターのカットオフ周波数を高域側に上げても、
クロスオーバー周波数を800Hzにすることはできる。

こういう手法を、クロスオーバー周波数付近の特性を薄くする、という。
ウーファーとトゥイーターの、クロスオーバー周波数付近での重なりぐあいが、
こうすることで少なくなる(薄くなる)からで、昔からある手法のひとつである。

私は井上先生から、この話をきいている。
この手法が有効なのは、ウーファーがコーン型で、
トゥイーターがホーン型のように、大きく違ってくるときである。

ウーファー、トゥイーターともにコーン型であっても、
振動板の素材が大きく違っていたり、口径差が大きい場合にも、
つながりがスムーズになる傾向がある。

上下帯域を受けもつふたつのユニットの重なりぐあいが多く(厚い)ほど、
ふたつのユニットの音の混ざりぐあいはよくなりそうだ、と中学生のころは、
確かめもせずに、そんなふうに考えていたこともある。

井上先生の話、それに自分でやってみると、中学生のころの予想とは逆だと気づく。
重なりぐあいを厚くすると、実際の音の印象は反対になってしまう。
つまり聴感上はクロスオーバー付近の音が薄く感じてしまう。

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