アンチテーゼとしての「音」(audio wednesdayでの音・その7)
JBLのトゥイーターといえば、075か2405が、まず浮ぶ。
075を使ったシステムは、これまでいくつかのところで聴いてきている。
とはいえ、自分で鳴らしたことはないユニットである。
ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIESの三冊目、
「世界のトゥイーター55機種の試聴とその選び方使い方」、
ここでの075の評価は、絶賛といえるものではなかった。
075はその時点でも古いトゥイーターといわれていた。
瀬川先生は《ハイエンドの伸びが圧倒的に足りない》と発言されている。
事実、実測データも掲載されていて、15kHzあたりまでだし、
実測指向性パターンをみても、
2405は5kHz、1kHz、15kHz、いずれの周波数においてもきれいなパターンを描いているが、
075は5kHzでも広いパターンとはいえず、15kHzにおいてはかなり悪い,としかいいようがない。
たしかに設計の古いトゥイーターである。
瀬川先生は《地がかなりジャジャ馬》で、
《使いこなしをめんどうくさがる人には、なかなかよさを出すことがむずかしい》ともいわれている。
黒田先生は、《華やかで美しい》とまずいわれているが、
ここにはネガティブな意味も含まれている、とつけ加えられている。
そして《ちょっと騒がしい》とも。
井上先生は《古いタイプの音》、《聴感上のSN比に問題》があり、
《シリシリという音がすべての楽器の音に重なって》くるため、
《音全体が騒々しい》という評価だ。
その075をアルテックの2ウェイ・システムに加える。
それまでのトゥイーター、グッドマンのDLM2も古い設計だ。
周波数特性を比較しても優劣はないかもしれない。
けれど手に持った感触は、DLM2と075はまったく違う。