カタチの違いと音の違い
マッキントッシュのパワーアンプには、
ブルーアイズと呼ばれる大型のパワーメーターが特徴として付いている。
けれど以前(1970年代後半くらいまで)は、メーターなしのモデルもあった。
MC50、MC250、MC2100、MC2120、MC2200などである。
MC2120とMC2200は、
それぞれMC2125、MC2205からパワーメーターを取りさり、
フロントパネルもガラスパネルではなく、割りと素っ気ないアルミパネルにしたもので、
価格も十万円以上廉くなっていた。
MC2120、MC2200は、フロントパネルとメーターの違いだけで、
コンストラクションはMC2125、MC2205は同じである。
MC2120とMC2125、MC2200とMC2205を比較試聴すれば、
メーターの有無、フロントパネルの違いによって生ずる音の違いはあるはずだが、
それほど大きな違いではない、と思う。
私が、いまごろ1970年代後半のマッキントッシュのパワーアンプについて書いているのは、
MC250、MC2100の存在を思い出したからである。
真空管アンプ時代のマッキントッシュのパワーアンプは、
MC275、MC240を思い出してほしいが、
入出力端子類が取り付けられているパネル部が傾斜してシャーシーを採用していた。
そのシャーシーをトランジスターアンプ時代に、
マッキントッシュはMC50、MC250、MC2100に採用していた。
MC50は50W出力のモノーラルアンプ、
MC250は出力50W×2のステレオアンプで、MC2505からフロントパネルとメーターを除き、
シャーシーは、MC275と同じ形状となっている。
MC2100も同様で、MC2125をベースにしたモデル。
写真でみるかぎり基本的なコンストラクションに変化はない。
けれどメーターとフロントパネルがなく、シャーシーの形状まで違うと、
比較試聴すれば、音の違いは微妙とは言い難いのではないだろうか。
アンプにおける筐体構造が音に与える影響は、いまでは常識になっているが、
そのはじまり(というか気づき)は、もしかするとこのあたりにあったのかもしれない。