Date: 5月 5th, 2017
Cate: 録音
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録音は未来/recoding = studio product(トスカニーニの場合)

トスカニーニがNBC交響楽団と録音したものは、ほぼすべてがモノーラルである。
しかもそれらスタジオでのモノーラル録音のすべて(といっていいだろう)が、
残響を徹底的に排除した、ともいえる録り方である。

結局、それはモノーラルだったからではないのか。
ステレオ録音がもう数年ほど早く実用化されていたら、
トスカニーニがあと数年、現役を続けていて録音を残していれば、
あそこまでドライな録音ではなかったはすである。

トスカニーニは、確かに録音において残響を嫌っていた。
それは演奏の明晰さを、モノーラル録音・再生において損なわないためだとして、
再生側で、トスカニーニの意図通りに再生するには、
デッドなリスニングルームで、間接音をできるだけ排除して、
直接音主体であるべきなのか、というと、どうもそうではないようである。

何で読んだのかは忘れてしまったが、
トスカニーニは部屋の四隅に大型のコーナー型スピーカーを配置してレコードを聴いていた、という。
トスカニーニは1957年に亡くなっているから、
トスカニーニの、この大がかりなシステムは、モノーラルと考えられる。

モノーラルで、四隅に設置されたコーナー型スピーカーを同時に鳴らす。
残響を嫌った録音とは異るアプローチの再生である。

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