Date: 2月 11th, 2017
Cate: ワイドレンジ
Tags:

JBL 2405の力量(その5)

ここでのタイトルは「JBL 2405の実力」ではなく、力量としたのは、
2405を単体のユニットとして使った経験のある方ならばわかっていただけよう。

JBLのスピーカーシステムにおいても、2405の受持帯域は1オクターヴくらいである。
8月3日に行った「新月に聴くマーラー(Heart of Darkness)」では、
カットオフ周波数は約15kHzだから、もっと狭い。
(もっともスロープ特性は6dB/oct.だから単純比較はできないが)

それでも2405があるとないとでは音は、大きく違ってくる。
もちろんどんなトゥイーターであれ、あるとないとでは音ははっきりと違うわけだが、
単に高域のレンジを延ばすだけのトゥイーターだと、
多くの場合、音が薄くなることが生じてしまう。

昔からよくいわれてきたことだ。
トゥイーターの帯域の音だけが薄くなるわけではない。
下の帯域までも薄くなってしまう。

これもよくいわれるたとえなのだが、
餅をのばすと薄くなるのと同じだ、と。

けれど餅のたとえは正確ではない。
いまある餅に別の餅(トゥイーター)を新たにつけているのだから、
もともとある餅をのばしただけではない。

それでもこのたとえが通用するくらいに、安易にトゥイーターをつけると、
そんな印象になってしまいがちだ。

2405だとそういうことがない。
少なくとも私の経験上ない。
もっとも下の帯域にウェスターン・エレクトリックの594Aを使っていたりすれば、
2405でも音が薄くなるということになるかもしれないが、
パーマネントマグネットを使用したユニットを使っているかぎり、
2405をつけ足して音が薄くなる、ということはないのではないか。

もちろん合う合わないという問題は別にあっても、
2405の音(高域)には、芯がしっかりとある。

結局芯のないトゥイーター、そこまで行かなくとも芯がぼやけてしまっているトゥイーターだと、
音が薄くなってしまうのかもしれない。

こういうことをふまえての「2405の力量」である。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]