オーディオと青の関係(その16)
オーディオにおける青の意味はあるとしても、
それが各メーカーで共通しているわけでもないだろう。
JBLの青とソニーの青とが、同じ意味が込められているわけでもないだろう。
それは承知のうえで、オーディオにおける青には、アンチテーゼの意味が込められているように感じる。
私がそう感じているだけであるにすぎない。
けれど(その1)に書いたステレオサウンドのロゴの青。
1966年にステレオサウンドが創刊されたとき、日本にはどんなオーディオ雑誌があったのかをふり返れば、
私はそこにアンチテーゼの意味を感じてしまう。
そうだとしたら、いまのステレオサウンドのロゴに青はふさわしくない。
JBLのスタジオモニターのバッフルの青にしても同じだ。
それまでスタジオモニターといえばアルテックの604を収めたモノが圧倒的シェアだった。
そこにJBLは切り込んでいった。
4300シリーズは最初からブルーバッフルだったわけではない。
4350、4341といった4ウェイのシステムからの青である。
これらの4ウェイ・モデルは、全帯域にわたる指向特性の改善・均一化を図って、である。
単に周波数特性を広げたかったわけではない。
ユニット構成をみれば、そのことはすぐに気づくはず。
最低域を受け持つウーファーと最高域をうけもつトゥイーターは、
3ウェイの4333と同じなのだから。
だからJBLのスタジオモニターの青は、
アルテック604に代表される従来のスタジオモニターの主流に対しての青として感じる。
JBLのLE15Aの青は、それまでのJBLのウーファーのあり方とは違う設計であり、
ある意味、それまでのウーファー設計へのアンチテーゼと捉えようとすればできなくもない。
もちろん、オーディオにおける青の意味を、私がこじつけてそう捉えているだけといえば、
たしかにそうだ。
それでも、オーディオにおける青は、他の色とは違う意味があるはずだ。