Date: 10月 3rd, 2016
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(忘れられつつあること・その4)

テクニクスのSU-R1のボリュウムの、
アナログディスク再生時における操作性の悪さは、
インターナショナルオーディオショウでのテクニクスのスタッフの人が実感していたはずだ。

針の溝への導入音は、音を判断する上で重要な手がかりとなるといっても、
オーディオショウという場で来場者に聴かせる類の音ではない、ともいえる。
極力聴かせないような配慮を、テクニクスのスタッフはしていた。

テクニクスのスタッフも、入力セレクターの切替えで対処することは考えた、と思う。
誰でも思いつくことなのだから。
それでも、テクニクスのスタッフは針の上げ下しに合せてボリュウムツマミをまわす。

その行為を、好き好んでバカなことやっている、面倒なことやっている、と見ていた人もいたかもしれない。
でも、私は感心して見ていた。

アナログディスク再生へのこだわりをもって、
ボリュウム操作をしている人が目の前にいたからだ。

それも自分のリスニングルームにおいてではなく、
インターナショナルオーディオショウという場において、である。
こういう場での音出しならば、入力セレクターの切替えを利用した方が、ずっと楽だ。

不思議なのは、こういう人がいるにも関わらず、SU-R1の電子ボリュウムは、
アナログディスク再生においては扱い難い、ということだ。

SU-R1はフォノイコライザーを搭載していないから、
開発時の試聴ではアナログディスクは使われなかったのかもしれない。
それでもSL1200Gの開発では試聴を行っているはず。
その時点で、SU-R1のボリュウムの問題点には気づかなかったのか。
ここは疑問として残る。

気づいてそのままにしておいたのか。
それとも開発時の試聴では入力セレクターの切替えで対処していたのか、
それとも導入音を出しての試聴だったのか……。

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