Date: 9月 23rd, 2016
Cate: ショウ雑感
Tags:

2016年ショウ雑感(コメントを読んで・その2)

《ゼネラルオーディオ的なポジションでピュアオーディオに土足で入りこむ》
このことについて、もう少し私なり考えてみた。

私と同世代であれば、恵まれた人以外はラジオから始まり、
次にラジカセ(略語はあまり使いたくないが、ここはラジカセを使いたい)、
そのあとにステレオ(オーディオ)という段階を踏んでいる。

以前も書いているように、
同世代の友人でありオーディオ仲間のAさんは、
高校生の時にJBLの4343を手にしている。

親に買ってもらったわけではない。
親戚がやっている建築会社に、夏休み中アルバイトに行ったりして貯めたお金で買った4343である。

1970年代のおわりのころの話だ。
Aさんは新宿のオーディオユニオンに行き、4343を指して「これください」といった。
現金購入だから、販売店の人たちは金持ちのボンボンだと思ったらしい。
ほとんどの人がそう思うだろう。

彼の部屋への納品に来た販売店の人たちは驚いた。
4343を買う高校生だから、アンプやプレーヤーもかなりのモノを持っているに違いない、
と思っていたところに、彼が4343につないだのはシャープ製のダブルラジカセだったからだ。

4343を買うお金があれば、
その予算をバランス良く振り分けて、プレーヤー、アンプ、スピーカーを買った方が、
トータルとしての音はうまくまとまる。
そんなことはわかったうえで、彼は欲しくてたまらなかった4343だけを先に買ってしまった。

Aさんを小馬鹿にする人もいることだろう。
でも、私は尊敬する気持がある。
私もオーディオでは無茶なことをやったけれど、ここまではできなかった。
楽しい人だと、彼のことをおもう。

このAさんの行為は、
《ゼネラルオーディオ的なポジションでピュアオーディオに土足で入りこむ》ことなのか。

ラジカセはあきらかにゼネラルオーディオ的なポジションである。
4343はピュアオーディオの世界のスピーカーである。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]