Date: 9月 22nd, 2016
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これまで(ラックスCL32・その2)

ラックスのCL32は、当時中学生だった私にとって、
マークレビンソンが憧れではあったけれど、
高価すぎてすぐには手が届くモノではなかったから、現実的な憧れ的モノだった。

CL32は当時128,000円。
マークレビンソンのJC2は630,000円、LNP2が1,180,000円していた。
しかもCL32にはキット版のA3032が用意されていた。
こちらは88,000円で買える。

ステレオサウンド 41号特集「世界の一流品」では、岩崎先生がCL32について書かれている。
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 この外観に接して、これが管球式とは誰も思うまい。さらにこの音に触れれば、その思いは一層だろう。今様の、この薄型プリアンプはいかにも現代的な技術とデザインとによってすべてが作られているといえる。クリアーな引きしまった音の粒立ちの中にずばぬけた透明感を感じさせて、その力強さにのみ管球アンプのみのもつ量感が今までのソリッドステートアンプとの差となってにじみ出ている。高級アンプを今も作り続けている伝統的メーカー、ラックスの生まれ変りともいえる、音に対する新体制の実力をはっきりと示してくれるのが、このCL32だ。管球アンプを今も作るとはいえ、もはやソリッドステートが主流となる今日、あまりにも管球アンプのイメージを深くもったラックスの新しい第一歩はこのCL32によって大きく開かれたといってよいだろう。おそらくソリッドステートを含むすべてのアンプの基礎ともなり得る新路線が、CL32に花を咲かしたと思うのである。
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《あまりにも管球アンプのイメージを深くもったラックスの新しい第一歩はこのCL32によって大きく開かれたといってよいだろう。》
ここに惹かれた。

43号のベストバイの特集でも、CL32は高く評価されていた。
岡先生以外の全員が、CL32をベストバイとしていた。

真空管というノスタルジーは、そこにないことは、
井上卓也、上杉佳郎、菅野沖彦、瀬川冬樹、山中敬三の五氏の文章が語っていた。
それでいて真空管アンプの特質は、持っているのもわかる。

このころの私は女性ヴォーカルをしっとりと鳴らしたいことを、最優先していたから、
CL32(A3032)には注目していた。

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