五味康祐氏とワグナー(名盤・その2)
数ヵ月前、程度のいいと思えるマランツのModel 7の値段が150万円を軽く超えていて、
ここまで来たのか、と思っていたら、その上があった。
350万円の値が付いているModel 7があった。
私の感覚では高すぎる、ということになるが、
買う人がいるから、売る側もこれだけの値段をつけているのだろう。
マランツのModel 7は名器といわれている。
でも、この場合の名器も名盤と、結局は同じである。
名器とされるモノでしかない。
名盤と同じで、名器も「聴き込んでみずからつくるもの」である。
聴き込まなければ、つまり自分の心に近いモノとしなければ、
どんなに程度がよくて350万円の値が付いているModel 7であっても、
それは名器でもなんでもない、ということだ。
なぜ売り手側にとって都合のいい(よすぎる)ことに振りまわされるのか。
市場で高い値が付けられるのが名盤、名器ではない。
そのことがまったくわかっていない人がいる。
そういう人たちが、オリジナル盤、オリジナル盤とさわぎ、
オーディオ機器に関しても、オリジナル、オリジナルとさわぐ。
いつまで続くのか、こんなことが。