スピーカーシステムという組合せ(その1)
喫茶茶会記で毎月第一水曜日に行っているaudio sharing例会。
そこでの音出しに使うスピーカーは、既製品のスピーカーシステムではない。
いわば自作のスピーカーシステムということになり、
アルテックのウーファーとエンクロージュアは固定だが、
上の帯域に関してはアルテックの807-8A+811Bであったり、
JBLの2441+2397であったりする。
ネットワークも一般的な12dB/oct.スロープであったり、
6dB/oct.スロープの直列型であったりする。
クロスオーバー周波数もいくつか試している。
先日は別項で書いているように2405を追加して3ウェイにした。
こうやって一月に一回、もしくは二月に一回だったりするが、
スピーカーそのものをいじっていると、なかなか楽しいし、
スピーカーシステムも組合せだということを、いまさらながら実感させられる。
私がオーディオに興味を持ち始めたころは、
既製品のスピーカーシステムを使うのが一般的といえた。
自作スピーカーの書籍、ムックも、いまより出ていたし、
エンクロージュア製作の会社も、けっこうな数あった。
いまよりも自作スピーカーに向いていた時代でもあったけれど、
それでも最初は既製品だった。
10cm口径のフルレンジユニットを買ってきて、
手頃なエンクロージュアに入れれば、それも自作スピーカーといえる。
これならばそれほど手間もお金もかからない。
たいした音はしないだろう、と思うかもしれないが、
小口径フルレンジには、これならではの魅力があるし、
ここで終ってしまうわけでもない。
次のステップとしてエンクロージュアを変えてみる、という選択もあるし、
トゥイーターをつけて2ウェイにするという選択もある。
あまりしないだろうが、トゥイーターではなく、ウーファーをつけ加えて2ウェイにするのもありだ。
トゥイーターにするか、ウーファーするかは、
つくりあげようとするスピーカーに何を求めるかによって変ってくる──、
というよりも、オーディオを始めたばかりの人にとっては、
特に若い人にとっては予算の都合が、どちらを選択するかを決定する、ともいえる。
トゥイーターならば、ユニットだけでもすむ。
ユニットの価格もウーファーほどではないし、
ネットワークもウーファー用はコンデンサーもコイルも値の大きいモノが必要となり、
同程度のグレードのパーツで組むのなら、トゥイーターの方が安く済む。
プレーヤー、アンプ、スピーカーからなる組合せも予算の都合が影響大だが、
スピーカーも制約があるのは同じであり、だからこそ発展させていく面白さがある。