スピーカーシステムという組合せ(その2)
組合せの記事は昔からの定番である。
いままでオーディオ雑誌全体で、
どれだけの数の組合せがつくられてきたのかは数える気にもならない。
とにかく多かった。
参考になる組合せもあれば、ほとんど参考にならない組合せ、
自分の音楽的嗜好とは違うけれど、興味深い組合せなどがあった。
予算別の組合せもけっこうあった。
予算というのは現実的なものである。
そして、オーディオ雑誌に載った組合せそのままを買える(買った)人は、
いったいどのくらいいるのだろうか。
はじめてシステムを一式揃える人、
つまりオーディオの入門者の場合は、オーディオ雑誌掲載の組合せそのままということもあろう。
けれど、そこから先はシステムを一式買い換える人はそうはいない。
最初のシステムのどこかをまず買い換える。
アンプだったり、スピーカーだったりする。
最初にアンプを買い換えた人は、次はスピーカーかもしれないし、プレーヤーかもしれない。
予算に制約がなければ、オーディオ雑誌推奨の組合せを一式、
もしくはオーディオ販売店推奨のシステム一式ということもできるが、
そんな人はそうそういない。
ひとつずつ(少しずつ)、システムのどこかを買い換えてグレードアップしていく。
そのためシステム全体の組合せとしては、一時的にちぐはぐなところができてしまうことだってある。
同じことはスピーカーシステムの構築においてもいえる。
最初から目的とするユニットをすべて揃えられるのならば結構。
でもそうはいかない人(こと)のほうが多い。
構築の過程においては、一時的にちぐはぐなシステム(組合せ)になろう。
audio sharing例会で使うスピーカーも、
ウーファーにJBLの2220、2205、2231あたりが用意できればと思う。
でも、そこにあるモノを鳴らしていく。
制約・制限がある中で、どれだけ自在に鳴らしていけるかで、
鳴らし手の力量が問われるからこそ、面白いと感じる。
それに同じ組合せといっても、
システム全体の組合せを水平的とすれば、
スピーカーシステムの組合せ(自作)は垂直的といえる。